◎郷土料理 3
「山梨の郷土食」に戻る

椎茸となめこ栽培 おからの煮物
香茸の炊き込みご飯 葉大根と油揚げの煮浸し
せりの酢味噌和え みつばのくるみ和え
野かんぞうの柚子味噌かけ こごみの金山寺味噌和え
ふきのとうの煮物 茹で干し大根の煮物
うどの柚子味噌和え ぎょうじゃにんにくのくるみ柚子味噌和え
たらの芽の天ぷら もみじ笠の浸し物
根曲竹(ネマガリタケ)の焼き物 焼き茄子
いのしし肉の味噌煮 おけらとうら白の天ぷら
するめの塩辛 ハリギリ(針桐)の天ぷら
紅鮭とこしあぶらの炊き込みご飯 秋田ぶきと竹輪の煮物
くり茸の白和え 茶碗蒸し
紅鮭の唐揚げ卸しかけ 蜂蜜
たたき牛蒡 薩摩芋とりんごの合わせ煮
紫花豆の煮物 きっぽし(干し芋)
甘柿の白和え 大梅寒天寄せ
みつ葉と筍の春巻き 長葱の油味噌
白瓜の奈良漬け 山椒の若芽ご飯
ひらたけ栽培 山椒の若芽と佃煮及び保存法
黒はんぺんと大根の煮物 大根と車海老の煮物
大野菜のお浸しとハムの炒め物 ふきのとうの油味噌炒め
金平牛蒡●△


椎茸となめこ栽培

暮れの12月に椎茸やなめこの原木を切り倒し樹種を3月頃までに準備するとよい。クヌギは皮が厚く、薄い皮のナラの木は椎茸が発生しやすい。しかし厚い皮のクヌギは長期にわたって椎茸が発生する。山梨県下の山林は土地によりクヌギとナラの木の樹林が異なっている。原木の長さは90cmから1m位が良いので、揃えてたば切る。平成17年3月6日()植菌を原木に家族揃って植え付けをした。

昔は男性が、「穴開け用の打ち込み道具で力一杯振りおろし、仕事を終えた夕方には右手が箸を持つのも大変な位に力を入れた。」と今は亡き身延町栃代の赤池昇氏が話していた。現在は、電気ドリルでサッサといとも簡単に穴開けが行えるよう便利になった。1箱には、椎茸の種駒1000個入り、約30本の植え付けができる。穴の中に椎茸の種駒をつめ、かなづちで1から2回打ち込む。

きのこの種菌は、昭和50年頃まではチップ状をスポイト詰器でつめ穴に入れ、その上にろうを溶かして表面処理した。この作業は缶の中で木炭の火をおこしロウを溶き、「温度管理が大切」と言いながら同町の故赤池本次郎氏が上手に作業していたのが懐かしく思い出される。

植菌後の原木は、「松林の木漏れ日を受ける場所」が一番良いとされるが、適地がなければ大木の根元など雨風の当たる場所を探し、根元を下に並べ、「仮伏せ」を行う。高温多湿になる前の5月頃本伏をする。この際は、直射日光が当たらない木陰の場所を選んで「伏せ込み」を行なう。ホダ木に椎茸菌がまわると見込まれる平成18年の秋頃から椎茸が出てくる予定で今から楽しみにしている。これ以降、ホダ木の日照具合や湿度管理を適切に行えば、5〜6年は採取が楽しめる。日本ではこの様に「原木栽培」で、隣りの中国産の殆どは、「菌床栽培」と言われている。

次になめこの栽培はブナ、トチノキ、サクラ、クルミ、ナラ類などの原木が良いとされるが、今回はヤマザクラを原木とした。椎茸の時と同様に昨年暮れに伐採し原木は、約1mに玉切った。原木に穴開けしなめこの種駒をうめ、かなづちで打ち込み椎茸同様に仮伏せを行なう。なめこのホダ木は2〜3年しか採取できないとされている。


おからの煮物

「おから」は「御穀、雪花菜」の字が当てられている。春先の柔らかい長葱をたくさん入れて炒めると味が良くなり香りも抜群に増す。水分が多いとだぼだぼになるので、出し汁の調整が難しい。

材料
おから300g ・細長葱200g ・人参80g ・油揚1枚 ・干し椎茸3枚 ・牛蒡50g油大さじ3 ・出し汁300cc・酒大さじ2 ・醤油50cc ・味醂大さじ3 ・砂糖大さじ2 ・食塩小さじ1/2 ・胡麻油大さじ1

作り方
1) 人参は皮をむき線切り、長葱は短い斜め切り、干し椎茸は戻し線切り、牛蒡は皮をこそげささがきにして水の中であくを抜く。
2) 鍋か北京鍋に油を熱し、1)の具を良く炒めおからを入れ更に熱する。
3) 2)に出し汁を加え、調味料を入れ蓋をして弱火で煮る。
4) 3)は味を整え最後に胡麻油大さじ1を加えると風味が増す。

メモ
おからは「うのはな、きらず」とも呼ばれている。
豆腐の製造過程で豆乳が作られ、絞り粕である「おから」はたんぱく質、脂質、食物繊維が豊富で、しかも低エネルギーであり料理に用いたい。
おからの利用法としては茶巾絞り、コロッケ、白和え、薄焼きなど調理法では蒸し物、揚げ物、詰め物などもある


香茸の炊き込みご飯

一瞬、「乾燥の椎茸か」と思われるこの茸、実は富士山の天然の「香茸」という。食用茸の中で臭いとあくが強く一見毒々しい。茸は一般的になめこの様につるんとしたのど越しだが、香茸は異なる。水に2〜3回戻して、下処理をしないとあくが強い。上部は椎茸に似て内側はビロードの様で、触るとなめらかな肌触りの珍しい茸である。調理した香茸は、味付けしなくともかめばかむほど特有の味が出てくる。栄養バランスのため約2割の押し麦を「香茸の炊き込みご飯」に混入した。

材料
精白米3カップ ・押し麦100g ・香茸()50g ・人参100g ・油揚げ1枚 ・出し汁3カップ ・酒30cc ・醤油大さじ2 ・食塩小さじ1と1/2

作り方
1) 香茸は湯に戻して2〜3回ぬるま湯を取りかえあくをぬく。精白米と押し麦は、合わせざるに入れて洗う。
2) 香茸は硬いので、できるだけ薄い線切りにし、ざるに入れ流水で洗い流す。(ざるの中であくがよく抜けるまで洗い流す。)
3) 人参は線切り、油揚げも油抜きして線切りにする。
4) 炊飯器に1)、2)、3)と調味料、出し汁3カップを加え普通に炊く。
5) 4)が炊けたら混ぜて器によそる。

メモ
香茸は、学名「皮茸」と「革茸」の呼び名がある。地方によって岩手県では「いのはな」「ししたけ」「くろきのこ」、三重県では「しゃくい」、滋賀県は「しゃくび」、長野県は「たばころうじ」、石川県は「くまじこ」などの地方名がある。
香茸は9〜10月に広葉樹林に発生する。
傘の直径は10〜20cmが多く中には大型も見られる。傘がロート状になっている。
人工栽培が出来なく、秋期の天然茸であり希少価値がある。


葉大根と油揚げの煮浸し

材料

・葉大根300g ・油揚1枚 ・油大さじ1 ・出し汁50cc ・醤油大さじ2 ・味醂大さじ2 ・砂糖大さじ1 ・唐辛子少々

作り方
1) 葉大根は洗って水気をきる。
2) 沸騰湯に食塩小さじ1を入れて、1)を茹でる。油揚は油ぬきし線切りにする。
3) ボールに茹でた葉大根を入れ、水をとり代えてあくをぬく。
4) 3)は3cmに切って絞る。
5) 鍋に油を熱し、4)と油揚を入れよく炒め、調味料を加えて煮る。
6) 器に盛りすすめる。

メモ
厳冬を越えて春先に採れる「葉大根」はからし菜に似て、色濃く少々硬いので良く茹でてから用い辛子和え、胡麻和え、炒め物等に向く。
通称「大根葉」と呼ばれている。


せりの酢味噌和え

材料

・せり200g ・赤味噌大さじ1と1/2 ・酢大さじ1 ・味醂大さじ2 ・炒りすり胡麻50g

作り方
1) せりは、洗って根元を切り落とし沸騰湯に食塩小さじ1を入れ茹でる。
2) 1)を浸して水を取りかえあくをぬく。
3) せりは、絞って2cmに切る。
4) ボールに3)とすり胡麻と調味料を入れ和える。

メモ

せりは、日本原産の宿根性湿地性の草木で「春の七草」に数えられている。

東アジアに広く野生種が分布し、各地に自生する。根元が赤と緑色の二種に大別でき赤色は水気の少ない場所であくが多く、緑色のせりは水質量の多い湧き水の場所にありあくが少ない。
せりは、独特のカンフェン、β―ピネン、ミリスチン、カルバクロールなどの香気成分がある。
せりの料理は、せり蕎麦、味噌汁の具、天ぷら、和え物などにも向く。

みつばのくるみ和え

材料
みつば150g・くるみ60g・赤味噌大さじ1・味醂大さじ1・酢小さじ1

作り方
1) みつばは洗って水気をよくきる。
2) 沸騰湯に小さじ1の食塩を入れ1)を加え茹でて水の中であくをぬく。
3) むきくるみはフライパンでさっとからいりしてすり鉢でよくする。
4) 2)はかたく絞り1cmに切る。
5) 3)に4)を入れ調味料を加えて器に盛る。


野かんぞうの柚子味噌かけ

 野山に4月になると「野かんぞう」が芽を出す。ユリ科のへメロカリス属で7月に濃いオレンジ色のユリに似た花が咲く。この時期、花の若芽も採取し調理に用いられる。今回は、幼葉を使った。くせがなく少々のぬめりと歯ごたえがシャキッとしていた。

材料
野かんぞう200g・柚子味噌大さじ2

作り方
1) 野かんぞうは、洗って水気をきる。
2) 沸騰湯に食塩小さじ1を入れ1)をさっと茹で水に取り絞る。
3) 2)は、2cmに切り器に盛り柚子味噌を上にかける。

メモ

野かんぞうはユリ科へメロカリス属で春先出始めの柔らかい葉を使う。

花のつぼみも食用になるが殆ど利用されていない。


こごみの金山寺味噌和え

4月中旬、こごみは富士吉田市・富士河口湖町の山林のちょっとした湿気の多い場所に芽を出す。シダの仲間で、形がソテツに似ていることからオシダ科のクサソテツ属多年生草本と言われる。早春の雪解けと同時に葉を出しゼンマイのように巻いた若芽と茎を採取、長い両縁が白色で幼葉を互生している。山菜の一種で上部がくるくると巻いている姿から「こごみ」と呼ばれるようになった。上部の若芽は約15cm位を折って取り茹でて用いる。一般的にはくせがなく他に炒め物、天ぷら、煮物に調理されている。

材料
こごみ150  ・金山寺味噌大さじ3

作り方
1) こごみは洗い水気をきる。
2) 沸騰湯に食塩小さじ1を入れ1)をさっと茹で水につけあくをとる。
3) 2)は、3cmに切る。
4) ボールに3)を入れ金山寺味噌と和えて器に盛る。
(茹でた直後は殆ど粘りがないが時間経過と共に増してくる。)


ふきのとうの煮物

 春一番に全国の山野にふきのとうが自生する。「ふきのとうの煮物はまず、茹でてしっかり水中であくを除くとにが味がやわらぐよ」と身延町常葉の渡辺富子氏にお聞きした。特有の香りとほのかな苦味は、暖かいご飯のおかずにぴったりと合う。長期保存時は醤油を多めに加える。

材料
・ふきのとう200g ・醤油50cc ・砂糖50g ・味醂大さじ2

作り方
1) ふきのとうに対し、鍋にたっぷりの湯を沸かす。
2) 湯が沸騰した中に食塩小さじ1を入れ、ふきのとうをしっかり茹でる。
3) ボールに2)を入れ、冷水にとり何回も水をかえ、ふきのとうの大きいものは、手で分ける。
4) 小鍋にかたく絞ったふきのとうと調味料を入れ、弱火で煮詰める。
5) 4)が冷めたら小分けにして冷蔵庫で保存する。


茹で干し大根の煮物

材料
茹で干し大根(筒切り)100g ・油大さじ1 ・出し汁3カップ ・醤油大さじ3 味醂大さじ1 ・砂糖大さじ2 ・唐辛子1本

作り方
1) 茹で干し大根は、ボールに入れ、ぬるま湯でもどす。
2) 1)を絞り鍋に油を入れ戻した大根はよく炒める。
3) 2)に出し汁と調味料を加え、蓋をしてゆっくりと柔らかく煮る。
4) 3)が良く煮えたら、味を整え唐辛子の小口切りを入れ、火を止める。


うどの柚子味噌和え

材料

・うど200g ・柚子味噌大さじ2 ・酢大さじ1

作り方
1) ボールに水を入れ、酢大さじ1/2を加える。うどは皮をむき酢水中に入れてしばらくあくをぬく。 
2) 1)はたんざく切りしふたたび酢水に入れる。
3) 小ボールに柚子味噌を入れ、酢をおとし味を整え2)のうどを和える。
4) 器によそる。


ぎょうじゃにんにくのくるみ柚子味噌和え


 山梨県の高い山には、春先に山菜の一つ「ぎょうじゃにんにく」が自生する。天然ものは現代では貴重な存在となっている。「昔、修行僧が滋養強壮として摂ったことからこの名がつけられた」と話されている。高山の山林の薄日がさす所に自生し、のびると一緒でむかごによって地上に落ち栄養増殖する。葉は杓子形を成し包丁で切ると辺り一面、葱の強い臭「メチルアリルジスルフィド」の香気成分につつまれる。茹でると色鮮やかになり臭いは消え触感は、長葱より粘りは少なく根元に甘みを呈ししゃきしゃきとしている。

材料
ぎょうじゃにんにく150g・むきくるみ40g・柚子味噌大さじ2・味醂大さじ1

作り方
1) ぎょうじゃにんにくは、洗い水気をきる。
2) 鍋に沸騰湯を用意し食塩小さじ1を入れ1)は茹で水で冷やす。
3) むきくるみはフライパンを用い軽くいる。すり鉢にくるみを入れすりこ木でなめらかになるまでする。
4) 2)は絞って2cmに切る。3)の中に切ったぎょうじゃにんにくを入れ調味料で味を整える。
5) 器に4)をこんもりと盛る。

メモ
ぎょうじゃにんにくはユリ科ネギ属の多年生草本である。
別名、えぞ葱、アイヌ葱、やまびるなどの呼称でも呼ばれている。
ぎょうじゃにんにくは、緑黄色野菜の仲間で和え物にする他、炒め物、天ぷら、汁物、塩漬などに用いられている。
近年はぎょうじゃにんにくの栽培も行なわれている。


たらの芽のてんぷら 

材料
たらの芽150g ・小麦粉100g ・卵1個 ・揚げ油適量 ・天つゆ(・出し汁2カップ・醤油大さじ3・味醂大さじ1) ・大根卸し60g ・生姜20g

作り方
1) たらの芽はトゲがあるので注意して洗い水気をきる。大きいものは包丁で4cm位に切っておく。
2) 小麦粉はふるい、卵を冷水で溶き混ぜる。
3) 揚げ油を煮立て2)の中にたらの芽を入れて中温で揚げる。
4) 天つゆと大根卸しを用意する。
5) 皿にてんぷらを盛り付け、熱いうちにすすめる。


もみじ笠の浸し物 

 ここは富士山麓の5月下旬、もみじの葉に似た、もみじ笠が登場する。若芽の傘の部分を食用とする。高山の谷川や林内の湿潤地に自生し、表面にはつやがあり特有な味は薄い。茎は暗褐色を呈し、茹でてあくを除き和え物や浸し物、また汁の実にも用いている。

材料
・もみじ笠100g ・出し汁30cc ・醤油大さじ1 ・味醂小さじ1

作り方
1) もみじ笠は茎が長い場合は、下の方を切りおとして洗い水気をきる。
2) 沸騰湯に食塩小さじ1を入れ、1)をさっと茹でる。
3) 2)を水に浸し、あくを除く。
4) 3)の水気を除き2cmに切り、器に取る。
5) 4)に付け汁を作り用意し、好みで花鰹をかける。


根曲竹(ネマガリタケ)の焼き物

「根曲竹」は5月下旬に親指ほどの太さ10cm位が地上に幼い茎を出すので採取する。これはイネ科のタケササ類。「チシマザサ」とも呼ばれ、山中に群生し茎は横走する根茎から斜上に高さ1〜2mとなり枝は各節から1個ずつ出る。若芽は外皮を剥いて、あくが少なくそのまま煮物にするのが一般的であり、味噌汁や浸し物、天ぷら、炊き込みご飯にもする。ここでは皮から焼いて味噌だれを付ける方法を紹介した。
 「桜前線」は最も有名だが、それを追うように茶摘前線、たけのこ前線などがおめみえする。


焼き茄子

 暑い夏、茄子は昔から「のぼせを抑えて身体を冷やす」と言われている。比較的カリウムを多く含み、利尿促進してむくみを抑える働きと食塩の摂り過ぎによる高血圧の改善効果も知られている。また、茄子には免疫活性を高め淡色野菜でも癌抑制作用がある。
 旬が夏の茄子は“成す”、“生す”につながり縁起よく「一富士、二鷹、三茄子(なすび)」とおめでたい初夢の決まり文句にうたわれている。

材料
茄子8個 ・生姜20g ・花鰹5g ・出し汁100CC ・醤油大さじ2 味醂小さじ1

作り方
1) 茄子は洗って水気をきり、へたの半分は切り落とす。
2) 金網かフライパンを用い中火で芯がなくなるまで焼く。
3) 2)の皮をむき、縦1/2に切る。
4) 出し汁、醤油、味醂を合わせて調味液を作り、暖かい内にかける。
5) 皿に茄子を盛り合わせ、調味料液をかけてすすめる。

メモ
茄子の原産地はインドで8世紀頃に日本に伝播した。
茄子は世界中で栽培されている。最も一般的な品種は「中長茄子」別名を「呼成」とも呼ばれている。
茄子は変色するので切ったら水に浸してあくを抜く。
茄子の色味を鮮やかにするためにみょうばん、鉄くぎを用いる。
茄子は種類により調理法が異なる。


いのしし肉の味噌煮

材料
いのしし肉300g ・日本酒大さじ1 ・葉玉葱150g ・出し汁1カップ ・赤味噌大さじ3 ・味醂大さじ3 ・赤唐辛子小1本 ・花鰹3g

作り方
1) いのしし肉は小さく切って日本酒をふりかけ、臭みをやわらげる。
2) 葉玉葱は1cm巾に切る。
3) 鍋に出し汁を沸騰させ1)と2)を入れ蓋をし弱火で充分に煮て、調味料を加え味を整える。
4) 器に3)をよそり上に好みで小口切りの長悪やわけぎを添えてもよい。

メモ
いのしし肉は豚の原種であり、『日本書紀』(奈良時代)には記録がみられるという。
肉質は豚肉より粗く特有の臭みがあるので風味を与えるなどを考慮し味噌漬、醤油やワイン漬、キムチ漬などに用いると美味である。


おけらとうら白の天ぷら

初夏の富士山麓には、甲州盆地より1ケ月遅く夏がやってくる。6月上旬におけらを採取するときは芯に小さいトゲがあるので注意する。「体は名を表わす」ようにうら白は裏側が真白で、表裏一面にうぶ毛があるのが特徴で芯がふきのようにも見える。共に浸し物・汁の実に用いる場合は、苦味が強いので茹でて水にさらしあくを除き用いる。
 上段がおけら、下段がうら白である。


するめの塩辛

別名を「信玄塩辛」とも言われ、長い歴史をもつ「するめの麹漬け」は海のない山梨県にとって珍重とされた一品である。甲府市飯田の増沢とし子氏に教えて頂いた。暮れに作り正月用のお節の一品として、また、祝い事などにも出現し家々によっては好みに合わせ昆布、人参、落花生、茄子などを加えて摂っていたようである。


ハリギリ(針桐)の天ぷら

 ここは日本一高い富士山の麓。五月下旬にウコギ科の落葉高木の通呼「センノキ」と言われる薄緑色のハリギリがふっくらと芽生える。それを天ぷらにすると、風味は少ないが、たらの芽のような少々のほろにがさと特徴あるサクサク感、ハリギリ自体あまり特有の味をもたないが、季節風味を充分に表わした食感に出会える。
 大きな木は高さ25m、直径1mにまで達し、樹皮は暗褐色で枝は太く、鋭いとげが散生している。7月頃には枝先に黄緑色の小花が咲く。大木は木目が美しいことから板に製材して家庭用家具や下駄の材料に使われている。


紅鮭とこしあぶらの炊き込みご飯 

材料

・精白米3カップ ・出し汁3カップ ・紅鮭2切(160g) ・干ぜんまい20g
・牛蒡100g ・人参70g ・ずいき30g ・干椎茸3枚 ・油揚げ1枚
・醤油大さじ2 ・味醂大さじ1 ・砂糖小さじ1 ・食塩小さじ1

作り方
1) 精白米は洗ってざるに上げる。ずいきは水に浸して戻ったら1cmに切り茹でてあくをぬく。
2) 干ぜんまいは戻してから出し汁1カップ、醤油大さじ3、砂糖大さじ1で下煮する。こしあぶらはさっと下茹でし、水にさらしてあくをとり細かく切る。
3) 人参は線切り、油揚は油抜きし線切り、干し椎茸も戻して細い線切り、牛蒡は皮をこそげささがきにしあくをとる。
4) 小鍋に下処理した、牛蒡、人参、油揚げ、ずいき、干し椎茸と2カップの出し汁を入れ弱火で加熱し材料が柔らかくなったら調味料を加え、煮汁がなくなる少し前に火を止める。
5) 炊飯器に1)の精白米3カップと出し汁、具を加えて普通に炊く。
6) ご飯が炊き上がったらこしあぶらをふんわり2)と混ぜる。
7) 器に盛り、熱い内にすすめる。


秋田ぶきと竹輪の煮物

材料
秋田ぶき400g ・竹輪(小)2本 ・山椒 少々 ・出し汁2カップ 
醤油大さじ3 ・味醂大さじ3 ・砂糖大さじ1

作り方
1) 鍋に秋田ぶきは約20cmに切り、水と共に入れ、蓋をして沸騰させ弱火で約15分茹でる。
2) 1)は冷まし皮をむき、3cmに切り、水の中で約2時間あくをぬく。
3) 竹輪は斜め切りする。鍋に出し汁と2)を入れ、竹輪も加え蓋をしてしばらく煮て、調味料で、味を整える。
4) 3)は器に盛り、薬味に山椒を添える。


くり茸の白和え

 くり茸は、通称モエギタケ属クリタケ科である。天然きのこの中で秋も深まった10月中旬から11月下旬に発生する。華やかな茶色の球形の傘(約2cmの小ぶり)であくもなくしゃきっとした淡白な食感を有する。栗やナラ木原木の切り株に出るので注意して匂いを嗅ぐと栗の臭いがする。

材料

・くり茸 100g ・絹ごし豆腐 200g ・水菜 50g ・人参 30g ・くるみ 30g ・食塩  小さじ1/    ・味醂 小さじ1 ・柚子 1/

作り方
1) 絹ごし豆腐はフキンに包んで重石をし水気を除く。
2) くり茸はつけ根を取りさっと茹でる。
3) 水菜は塩茹でし2cmに切る。
4) 人参は線切りし茹で、くるみは軽くいる。柚子の液体はとり皮も細い線切りにしておく。
5) すり鉢でくるみをすり、豆腐を加えて混ぜ具を入れ調味する。
6) 5)を器に小高く盛り柚子皮を上にのせる。

茶碗蒸し

材料

・卵(L玉)3個 ・出し汁 450cc  ・醤油 小さじ1/2  ・食塩 小さじ1  ・鶏ささ身 1枚  ・生椎茸 2枚   ・白身魚 1切れ   ・銀杏 8個  ・かまぼこ 30g  ・三つ葉 4本

作り方
1) 卵は泡立てないようにかき混ぜておく。
2) 出し汁に分量の調味料を加えて、冷めたら卵の中へ入れ濡れ布巾を絞り広げ漉して卵汁を作っておく。
3) 白身魚は薄くそぎ切りにして熱湯に入れ茹でる。
4) ささ身肉はそぎ切りにして酒少々をまぶしさっと茹でる。
5) 銀杏はフライパンに入れ蓋をし強火で熱して外皮を除く。
6) 三つ葉は1p位に切っておく。(結び三つ葉にしてもよい)
7) 生椎茸はそぎ切り、かまぼこは線切りにする。
8) 蒸し茶碗に下ごしらえした具を入れ、卵汁を等分に加え蓋をしないで蒸し器に入れ、強火で1分、弱火で12分加熱する。

虹鱒の唐揚げ卸しかけ

材料

虹鱒 4匹  ・食塩 小さじ1/2  ・生姜 1かけ(2つに分ける)  ・胡椒 少々  ・酒 大さじ2  ・片栗粉(虹鱒の5%)  ・揚げ油 適量  ・合わせ酢(・酢 大さじ1  ・砂糖 大さじ1  ・味醂 大さじ1  ・醤油 小さじ1  ・食塩 大さじ1/2)  ・唐辛子 1本  ・卸し大根 100g  ・細葱 3本  ・セロリー(しその葉、かいわれ大根などの香菜) 50g

作り方
1) 虹鱒は全身のうろこと内臓を除き下ごしらえして塩、胡椒、酒をふりかけ卸し生姜をまぶしておく。片栗粉を振りかけ薄い狐色にゆっくり揚げる。(揚げる直前に片栗粉をまぶす)
2) 合わせ酢を作る。1)が揚がったら暖かいうちにかけなじませる。
3) 唐辛子は種を除き小口切り、大根は卸し、生姜はみじん切り、細葱は小口切り、セロリーもみじん切りして合え2)の汁に混ぜる。
4) 皿に3)を盛り香味野菜を上に飾る。

メモ
虹鱒は湖(川魚)に泳いでいるが最近は鱒でも海に下がるのもあるようだ。
淡水産の虹鱒は春が旬である。虹鱒は新鮮なものを選ぶ。
唐揚げ卸しには、わかさぎや小鯵、鮭や鯖の切り身などでも出来、柚子やすだちの液体をかけるとなお美味である。
虹鱒を揚げる時、頭、ひれには充分に片栗粉をまぶし姿よく揚げる。
虹鱒は生き生きと盛られ一尾の姿であり芸術的な雰囲気作りに一役かっている。

蜂蜜

 南巨摩郡早川町赤沢集落は28世帯70人が暮らしている。当地で大切に「日本蜜蜂」を育て造り50年、養蜂家の望月氏にお話を伺った。
 人類が蜂と関わったのは5000年前のエジプト王の墓から蜜が発見され話題となった。我国でも皇極天皇(641645年)の頃に百済の太子が移入し大和三輪山に放飼したようである。養蜂形態は女王蜂(雌)・雄・働き蜂の3階級が決められている。女王蜂は体長約17o、腹部が長く羽から後方へはみ出す大きさで、雄はやや短く太く大きな目が特徴で、働き蜂は雄より小さく約13mmである。一つの巣の構成は一匹の女王蜂と多数の働き蜂、若干の雄から成り、大きな集団は5万〜8万匹に達し、掃除、子供の世話、ダンス、外出旅行、番兵など役割があると話され驚いた。女王蜂は卵を産み続け数年生き、働き蜂は秋に羽化し翌春まで、夏羽化したのは約50日と短命である。中央の大きい蜂が女王蜂で威厳と象徴として、その回りでこまめに働いているのが働き蜂なので観察すると理解できる。蜜蜂は木箱に10枚の板(かまち)を入れ、各かまちの両面に六角筒形の幾何学模様の部屋を作り、女王蜂は巣の中央から卵を産み続け、働き蜂は花粉の花粉房、更に外側に蜜を詰め蜜房を作る。木箱の中は夏は約35℃、冬(皿に砂糖を置く)は約21℃に保たれ、これも働き蜂の調整とされる。春は分封し夏の暑さの中そして秋へと忙しく活動する。10月中頃から11月中頃に巣箱から王台の蜂を傷つけないように蜜だけを取り出し採取する。蜜?の上を包丁で、たやすく切り蜂蜜が沢山流れ出しステンレ
スの
2層網の中へと降りて貯まり瓶に詰める。
  ところで蜜源の種類で色調、風味が異なり一括にして絞るので多彩な複雑な濃厚味を醸すのである。採集までにはなみなみならぬ不断の努力と、繊細微細な神経感覚が必要とされ、何よりも蜂との共生生活が重要となっている。1126日に訪ねた折も「からすざんしょうの苗木、100本を植樹する」と話され開花して蜜蜂が益々盛んに飛ぶ日を願っているようであった。
  日本蜜蜂について望月利崇氏、玉恵氏に貴重なお話をお聞きした。


たたき牛蒡

材料

牛蒡 150g  ・白胡麻 大さじ2  ・酢 小さじ1  ・出し汁 1カップ(・砂糖 大さじ1  ・味醂 大さじ1  ・醤油 大さじ1  ・柚子液 大さじ1

作り方
1) 牛蒡は金たわしできれいに洗う。
2) 牛蒡は15p位に切って、ぬれ布巾をのせ、すりこ木で上からたたき繊維をつぶし約3cmに切る。
3) 2)は水に入れあくをぬく。胡麻は軽くいって紙の上で切り胡麻にする。
4) 牛蒡は鍋に入れ、酢小さじ1と水を加えゆっくり茹でる。
5) 4)の水を捨て出し汁と調味料を入れよく煮て、汁がなくなったら切り胡麻をまぶし器に盛り、上に柚子皮を飾る。

メモ
牛蒡はヨーロッパ、シベリア、北中国に野生種が見られる。日本には、野生種はなく野菜の栽培は、我国のみである。
我国では、1,000年からの牛蒡の栽培があり冠婚葬祭やお正月料理には、「金平牛蒡」が決まって供されている。
食物繊維のイヌリン、セルロース、へミセルロースなどを含み便秘予防とコレステロール値の低下など栄養上好ましい食品とされている。
「たたき牛蒡」は繊維を潰してあり高齢者にも好まれる。


薩摩芋とりんごの合わせ煮

材料

薩摩芋400g ・みょうばん小さじ1 ・紅玉りんご 1個 ・砂糖80g ・食塩 小さ1/2 ・柚子の皮 1/5

作り方
1) 薩摩芋は洗い、包丁で厚さ1p輪切りし厚めに皮をむく。みょうばん水に約10分浸して、洗い流す。
2) 食塩水を作り、りんごは四つ切にして芯と皮を取り、1p厚さに切り食塩水につける。
3) 鍋に1)とひたひたの水を入れ煮る。りんごを加え中火で煮、調味料を入れ汁気がなくなったら火を止める。
4) 柚子の皮を細かく切って入れ、冷めたら器に盛る。

メモ
日本の果物類中で、りんごはみかんに次いで2位の生産量である。
りんごの原産地は旧ソ連のカフカス地方である。<