◎郷土料理 5
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長ゆうがおと鶏肉の味噌汁 みねごしと茄子の卵とじ
にんぎょう茸の生姜卸し掛け ちぎりぼうとう
しょうげんじのりんご酢和え ずいきととろろ昆布の味噌汁
おしろいしめじと巨峰の柿酢掛け おしろいしめじとしば栗のキウイソース掛け
うらべにほていしめじと甲斐路の酢味噌和え たまご茸と茄子の酢の物
さらし柿 食用菊のくるみ味噌かけ□
干柿の天ぷら 酒まん■
ひら茸と大根の柚子酢和え 大根の粕漬け
いのしし肉と大塚にんじんの旨煮 菜の花と凍豆腐の卵とじ
大根と鶏肉の煮物●○ ころ柿の柚子くるみ巻き☆ 
いりどり○ 鹿肉の一口フライ□
生姜と鮪の甘露煮 大根の甘酢漬け
筍の木の芽和え うどの芽としめじの酢味噌和え

長ゆうがおと鶏肉の味噌汁

 日本一の富士山の麓、富士河口湖町と富士吉田市では、夏の味噌汁に長ゆうがおを主材料に用いている。ゆうがおは、かんぴょうの原料であり、栃木県の栽培が知られている。しかし、乾ぴょうは、丸ゆうがおで種類が異なる。
 いつ頃から富士山の麓で長ゆうがおが栽培されるようになったかは、昭和20年か30年頃と長老が話してくれた。長ゆうがおの淡白さと鶏肉の旨味が合わさって、夏の味噌汁にはもってこいの味である。好みで人参、干椎茸、じゃが芋、長葱他を加えたりもする。吸い口にほんの少しの卸し生姜、わけぎ、茗荷を加えると風味が増す。左の写真、手前が約50cmの長ゆうがおである。

みねごしと茄子の卵とじ

材料

・みねごし6本 ・茄子1個 ・玉葱小1個 ・卵2個 ・バター大さじ1 ・醤油小さじ1 ・食塩少々 ・胡椒少々
付け合わせ
 ・トマト1個 ・すだち1個

作り方
1)

みねごしはたっぷりの熱湯に食塩を入れ、さっと茹でる。(茶色のあくが出る)

2) 茄子は適当に切り高温の油でさっと揚げる。
3) 玉葱は、スライスに薄く切る。
4) フライパンにバターを敷き強火で玉葱を炒め1)、2)を加え調味し溶き卵で固める。
5) 4)にトマトとすだちを付け合せる。

メモ

・山梨では、みねごしの名で親しまれている。別名「さくらしめじ」とも呼んでいる。

・みねごしはヌメリガサ科に属し広葉樹の中に多数発生する。
・みねごしの食感は歯もろい。味はほとんどない。
・みねごしの保存法は昔から、塩漬けが一般的に行われている。

にんぎょう茸の生姜卸し掛け

 にんぎょう茸は10月中旬に、広葉樹林の雑木林に発生する。傘は重なり少々ピンク色を呈し傘裏は白色で、株状態の扇形を示し一つの大きさは約500gあった。にんぎょう茸は「うさぎたけ、とんび、しろこいたけ」などの地方名がある。根元の落ち葉などを取り両手で、小分けに裂いてさっと洗い、熱湯に小さじ1の食塩を加え茹でると上に少々泡がでた。笊にあげ、冷めたら器に入れ、摩り卸した生姜、醤油を上から掛けてすすめる。別に小皿にタレを作って付けて食べても良い。にんぎょう茸の味は淡泊で、風味が少なく、しゃきしゃきとした歯ごたえとほろ苦さが特徴である。大根卸し、柿酢、柚子酢などを合わせても良い。

ちぎりぼうとう


 「ほうとう」と言ったら、山梨の郷土料理のナンバーワンである。ほうとうは、具が沢山入った味噌汁に太めの生麺を入れて仕上げる。ちぎりぼうとうは、ほうとうのドウよりも少し柔らかめに仕上げて、ほうとうの汁と同様の熱い汁の中に両手でちぎって加える。ちぎりぼうとうは、麺状にしないので、忙しい場合や、すぐ食べたい時に作られている。ちぎりぼうとうも家にある南瓜・じゃが芋・油揚げなどの材料で煮干のだし汁が基本となる。ほうとうもちぎりぼうとうも冬の料理として人気が高い。
 ちぎりぼうとうも一つの鍋に沢山の材料を入れることで、それぞれの味が複雑に絡み合い、単独では得られない深みを醸し更に栄養バランスも良い。

しょうげんじのりんご酢和え

材料

・しょうげんじ120g ・りんご100g ・ブロッコリー60g ・酢小さじ1 ・食塩小さじ1/4 ・醤油少々

作り方
1) しょうげんじのごみをとる。
2) 熱湯に食塩小さじ1を入れ、1)を加えさっと茹で笊にあげる。
3) りんごの皮をむきボール中にすり卸す。
4) ブロッコリーは小房に分け熱湯に食塩を入れ、茹でて冷水に加え笊にあげる。
5) 3)の中に調味料を混ぜタレを作る。
6) 2) 4) 5)を加えそっと混ぜて、器に盛る。

メモ

富士山のしょうげんじは、8月〜10月と長期に採取される。

分類はフウセンタケ科に属する。広葉樹林の中に発生する。

しょうげんじは傘が丸く、薄いクリーム色を呈し、香り、風味、歯ごたえなど淡泊で、あまり特徴がない。

ずいきととろろ昆布の味噌汁

ずいきは、里芋の茎である。ずいきの種類により赤と白、太さ、長さがあり性質が異なる。今回は、新鮮な生状態のずいきのみで、根に芋が付かない種類のものを用いた。
とろろ昆布は、酢漬けにした昆布を何枚か重ねて圧縮し、磨ってふわっとした状態の昆布である。上質な肉厚の昆布を機械で薄くそって作られる。昆布の種類によって味が異なると言われている。利尻昆布は北部北海道、羅臼昆布は東部北海道、西部北海道は細目昆布、真昆布は南部北海道など産地により異なった昆布が収穫され、中でも利尻昆布で作った「利尻とろろ」は、上品な味とされる。

今回は、煮干だしで、食品の持ち味を生かした「ずいきととろろ昆布の味噌汁」を紹介し夏の汁として、すすめたい。

おしろいしめじと巨峰の柿酢掛け

材料

・おしろいしめじ 150g ・巨峰 150g ・甘柿 150g ・青柚 1/2個 ・味醂 小さじ1 ・醤油 少々

作り方
1) おしろいしめじはごみをとる。
2) 熱湯に食塩小さじ1を入れ1)を加えさっと茹で笊にあげる。
3) 巨峰は洗い両手で皮をむく。
4) 甘柿は皮をむいてボールの中にすり卸す。その中に青柚子の液体、味醂、醤油で調味する。
5) 器におしろいしめじ、巨峰を並べ上から4)のタレを掛ける。

メモ

おしろいしめじは淡白な味で、香りがなくしゃきしゃきと歯ごたえがよい。季節の風味のある食品と取り合わせると良い。

おしろいしめじとしば栗のキウイソース掛け

おしろいしめじは、栽培のひらたけに形状が似ているが色彩は白つぽい。何といっても風味、食感が美味しい。炊き込みご飯、汁物、鍋物、和え物、炒め物、煮物など多様な調理に使える。

材料
・おしろいしめじ150g ・キウイフルーツ100g(1個) ・しば栗60g(12個) ・青柚1/2個 ・食塩小さじ1/5 ・味醂小さじ1/2

作り方
1)

おしろいしめじは、ごみを取り除き大きいものは、裂いてさっと洗い笊にあげ水気をきる。

2) 熱湯に、食塩小さじTを入れ1)をさっと茹でる。 *上にあくがでる。
3) 2)が冷めたら器に盛り、茹でて剥いたしば栗をよそり作ったキウイソースを掛けてすすめる。
*うれたキウイフルーツを用いる。

メモ

おしろいしめじはキシメジ科に属し傘表裏と柄共に綺麗な白色である。

おしろいしめじは、しめじ特有のうま味があり最高に美味しい。
くせがあまりなく、しゃき々感が強いので調味の味付けは薄めに付ける。

うらべにほていしめじと甲斐路の酢味噌和え

材料

・うらべにほていしめじ 300g ・甲斐路 100g ・赤味噌 大さじ1  ・青柚子 1/2個 ・味醂 小さじ1 ・砂糖 小さじ1

作り方
1) うらべにほていしめじは根元に土や砂があるので下方を1p切り落とす。大きいものは両手で裂く。
2) 熱湯に食塩小さじ1を加え1)を入れさっと茹で笊にあげる。
3) 甲斐路は洗って皮をむく。
4) 小さいボールに赤味噌、青柚子の液体、味醂、砂糖を入れ混ぜタレを作る。
5) うらべにほていしめじと甲斐路の中にタレを加えて、和え器に小高く盛る。

メモ
広葉樹林の雑木林中にうらべにほていしめじは、発生する。

うらべにほていしめじの分類は、イッポンシメジ科に属する。

うらべにほていしめじの特徴は、傘の表は茶色の円形で、裏は少々赤く、縦に裂ける。柄は大きい物で約20pと長く白色である。

食感はしゃきしゃき感、味は少々ほろ苦く、何と食べた後も苦味が残る。

たまご茸と茄子の酢の物

たまご茸は野草のきのこの中でも、7月下旬〜10月の上旬の早い時期にかけて群生する。
テングタケ科テングタケ属に属し、別名あかだし、だしきのこ、うぐいすたけ、たまごばったりなど、呼び名が多い。針葉樹林のぶな、まつ、もみの木などの場所に群生し、卵型の傘を持ち、赤色で一見毒々しい。
 たまご茸は酢の物、味噌汁、天ぷらなどに用いられる。

さらし柿

 甲州市松里は、江戸時代から甲州特産のころ柿の産地として有名である。
  ところが、渋柿で、品質も悪く青色で不揃いの柿は、焼酎(柿のへたの部分につける)にしませてナイロン袋か発泡スチロールに密閉して、縁側の日の当たる場所で約一週間放置すると「さらし柿」が出来上がる。日が経つと柔らかくなり過ぎるので頃合いが重要、早いと渋味が残る。
 山梨には、渋柿の用途別の方法として干し柿、あんぽ柿、ずくし柿など色々の柿の加工法が見られる。この時期一度試して賞味してみようではありませんか?

食用菊のくるみ味噌かけ

10月になると食用菊の料理菊が出回る。菊の原産地は、中国である。あざやかで香りよく、一度に沢山食べるのではなく、小丼に少し和え物として登場している。菊花のくきを取りながら水に放し、笊にあげ、沸騰湯に酢小さじ1を入れ花びらを茹で、水にとり絞って、主菜の付け合わせや酢の物として調理している。色素の主成分は、桃赤色クリサンチミン、黄色はカロチノイドである。
  乾燥菊は板状で、干してあり「菊のり」として、江戸時代から伝えられ一年中いつでも用いることができ便利である。しかし、生の食用菊ほど香気の高いものはなく今回は、旬のくるみの味噌かけとして紹介した。他の調理として和え物、天ぷら、ちらし寿司の具がお薦めである。

干柿の天ぷら

 秋が深まる11月中・下旬になると、甲州百目を筆頭に多種類の渋柿を干柿にするため、家の軒下には多くの剥き柿が吊るされる。吊るし柿を観察するとのれん状、放射状、輪状など綺麗に並べられ、山梨の風物詩の一つである。
 江戸時代には、甲州の代表的な八種の果物「甲州八珍果」として、柿も加えられ当時、馬の背に乗せ「甲州枯露柿」は笹子峠を越え江戸の問屋に出荷された。甲州枯露柿は「枝柿、枯露柿」の名で記されている。
 さて、翌年になり保存された枯露柿は非常に硬いので、水に浸漬し種を取り大きいものは幾つかに切って、天ぷらの衣に卵一個を加え中温の油でからっと揚げすすめる。冷めても美味しくおやつには、持ってこいで長老の女性に人気が高い。

酒まん

 山梨県の東部上野原市では、「酒まんじゅう」を昔から作っていた。上野原市棡原は長寿村として名を馳せた。発端は、昭和43年近藤正二博士と古守豊甫博士の二人が、村の独特の食習慣と高齢者が壮健であることに注目し実施調査をした。全国でも珍しい夫婦揃った長寿村であると報告した。長寿の要因は「食・心・動」の三条件を掲げいる。それは、食事と精神生活と労働で、野菜たっぷりの健康食に雑穀や芋、豆類などを比較的多く摂取することが条件と当地の古老が話してくれた。
 その食の一つ酒まんじゅうはまず、甘酒を作り炊いた温かいご飯に米麹をほぐし、水と共に混ぜる。約35℃の温度に調節しておき、2〜3時間置くと甘い麹と酒の芳香がしてくる。この時を待っていたばかりかと、ぼた々のどぶろく状の酒を濾して液状の種をもとに地粉を使って適当にこね酒まんじゅうを作る。次に、設定温度のドウに濡れ布巾をかけて1時間ほどねかす。その後、ドウが発酵してぶつぶつと穴が開いてきたら、ガス抜きをして再度こね、直径3cm位に小分けにし、小豆餡・うずら豆餡・ごま餡・炒め野沢菜などの具を中央に加え成型し二次発酵して15分強火で蒸す。昭和50年頃までは、各家庭で作ったので様々な具の酒まんじゅうが登場していたようである。
 現在は、上野原名物として店頭の酒まんじゅうは大変な人気を呼んでいる。酒まんじゅうは、ふんわりと表面が滑らかでぷーんと日本酒のいい匂いがしとても美味しく、一般には小豆餡が好まれている。

ひら茸と大根の柚子酢和え

材料

・ひら茸 200g ・大根 100g ・かいわれ大根 30g ・柚子 1/2個 ・醤油 小さじ1 ・食塩 小さじ1/2 ・味醂 小さじ1

作り方
1) ひら茸は、汚れている根元を包丁で切り落とし手で適当にさく。
2) 沸騰湯に食塩小さじ1を入れ1)はさっと茹でる。
3) 大根は細い線切り、かいわれ大根も2cmに切る。
4) 柚子は液を取り表皮を線切りにする。
5) ボールに2)、3)、4)を入れ調味料を加えさっと和えて器に盛る。

メモ

ひら茸はヒラタケ科ヒラタケ属に入り「かん茸、わかい」の別名で知られている。春4月〜6月、秋10月〜11月に発生し傘は、直径5〜15pの半円形・扇形を形成し柄が短く重なり合って生える。

栽培のひら茸は大きさも揃うので、乾燥や塩漬保存もできる。
ひら茸の食感は口に入れるとジュッと液が出て口いっぱいに風味が広がる。
ひら茸は煮物・焼物・揚げ物・炒め物・汁物などに用いられる。
写真に平茸の乾燥を示した。

大根の粕漬け

 冬場の身近な食材の根菜類で、ナンバーワンはなんと言っても大根だろう。大根は一年中出回り鍋物・煮物・和え物など食卓の演出にかって出ている。真白の大根はシャッキッとした蝕感が特徴で風味、こそ少ないが利用法によっては多彩な保存もできる。
 さて今回は「大根の粕漬け」を紹介する。太い大きな大根を用意し皮はむいて、縦半分に切り大根に対し食塩3%で一日下漬をする。準備は酒粕を多めにすり鉢に入れすりこ木ですりながら、砂糖、味醂、酒、食塩でよく混ぜドロドロの状態に混ぜ甘味と塩味のきいた床に大根を良く混合し厚めのナイロン袋に交互に詰め、1週間寒い所に放置する。放置後、ナイロン袋から白米漬けを取り出し粕ごと薄く切ってすすめる。シャキシャキの食感と酒粕の濃厚な風味のエステルは忘れられない味となるだろう。

いのしし肉と大塚にんじんの旨煮

 いのしし肉を食用にした歴史は古く、弥生時代は勿論、縄文人も食糧としていた。特に日本列島の北部地域で著しく、狩猟の最も重要な対象が鹿といのししであったようである。古代人は食用の他、貴重な生活上の素材としても毛皮や骨角器などに利用していた。
 特にいのししの肉は、風味が特徴的で肉汁中の呈味成分と組成間の脂肪更にグルタミン酸、イノシン酸、アラニン、プロリンなど含窒素有機物がある。合わせて乳酸、酢酸などのグルコースの甘味とコハク酸の旨味も含む。 
 今回は、市川三郷町曽根丘陵で栽培された大塚人参と手作りこんにゃくと合わせた旨煮を紹介する。

材料
・いのしし肉  150g  ・大塚人参  100g  ・こんにゃく  150g  ・牛蒡  50g  ・出し汁  3カップ  ・味醂  大さじ4・醤油  大さじ4  ・酒  大さじ1  ・花鰹  1パック  ・七味唐辛子  少々

作り方
1) いのしし肉は一口大に切り酒大さじ1をまぶす。
2) 大塚人参は皮をむき乱切りに切り、こんにゃくも一口大に切り茹でアクを除く。
3) 牛蒡も皮をこそげ落とし叩き牛蒡に下処理し3cmに切ってあくを除く。(牛蒡の繊維は硬いので叩くと柔らかくなる。)
4) 鍋に出し汁と、1)〜3)を加えてゆっくり煮、調味料を入れ味を調える。
5) 4)を器に盛り好みで七味唐辛子をかけすすめる。

菜の花と凍豆腐の卵とじ

材料
・菜の花 1束  ・凍豆腐 2枚  ・卵 1個 ・出し汁 1カップ  ・砂糖 大さじ1 ・油 大さじ1  ・醤油 大さじ1  ・ゆかり 少々

作り方
1) 菜の花は洗ってザルにあげ水気をきる。
2) 菜の花の根元を1p切り落とす。食用部分も幅1cmに切る。
3) 凍豆腐はぬるま湯で戻し、炭酸ナトリウムが入っているのでスポンジ表面を両手で押してあくを抜く。
4) )は約1cm角に切る
5) 鍋に油を熱し2)、3)を強火で炒めて出し汁を加え調味料も入れ沸騰している所に溶き卵を流し固める。
6) 器によそり上にゆかりをふる。

メモ
凍豆腐は室町時代の末期から冬季に一昼夜、戸外で凍らし翌朝食べたようで、江戸時代に本格的な製法が発達し
冬期の「 寒の内 」で最低気温が観測される日、武道では寒稽古が行われる。この時期に凍豆腐、寒天、酒、味噌などが寒気を利用して仕込まれる。
凍豆腐は大豆たんぱく質製品なので、多いに利用したい食品の一つである。揚げ物、蒸し物、和え物、汁物など工夫次第で、美味しい料理ができる。


大根と鶏肉の煮物

春の小川    作詞 高野辰之  作曲 岡野貞一

 春の小川は さらさら行くよ 岸のすみれや れんげの花に

 すがたやさしく 色うつくしく 咲けよ咲けよと ささやきながら


 春の小川は さらさら行くよ ええびやめだかや こぶなのむれに

 今日も一日 ひなたでおよぎ 遊べ遊べと ささやきながら

 

 新緑の浅い4月中旬の日曜日、ここ 南巨摩郡早川町奈良田では公民館活動の一環として毎年決まって、この時期道路清掃後、一同に集まって会食をする。その筆頭は「大根と鶏肉の煮物」が登場する。わさびの茎のお浸し、多くの漬物もお目見えする。
 その煮物は、鶏肉は骨付き手羽肉でその旨味が全体に広がって、大きく輪切り下茹でした大根にも手羽肉の美味しさが伝わっている。大きな両手鍋いっぱいに具材を入れて作り醤油味が主体となり砂糖と味醂を入れて調味する。
 奈良田は国道52号線を下山から北方向に約20キロの所に位置する集落である。今でも多くの民謡、踊り、言語が残り、「秘境奈良田」と呼ばれたりもする。孝謙天皇ご遷居の伝説にまつわる逸話の七不思議が残っている。
 昭和30年頃まで焼畑農業が行われ、秘境といわれる由縁には多くの珍しいものがある。奈良田に残る昔の民家の建物は石置板葺屋根と言って復元したものが残されている。奈良田温泉も有名である。

ころ柿の柚子くるみ巻き

早春賦    作詞 吉丸一昌  作曲 中田章

 春は名のみの 風の寒さや 谷のうぐいす 歌は思えど

 ときにあらずと 声もたてず ときにあらずと 声もたてず


 氷とけさり 藁はつのぐむ さては時ぞと 思うあらにく

 今日も きのうも 雪の空 今日も きのうも 雪の空

 干し柿は山梨を代表する渋柿を加工した保存のきく果物の一つである。ころ柿は2月頃の寒気で硬くなるので、1月の少々柔らかい頃を見計らって巻き物を作ると良い。
 ころ柿は縦に切り、へたと種を除き、中心に柚子の砂糖煮したものや割ったくるみを巻いて出来上がり。口の中で柚子の風味、くるみのカリッとした歯ごたえ、ころ柿の甘味、それらのハーモニーは、一層の美味しさを増すのである。


いりどり

 具材をそろえ一皿で色彩と栄養のバランスの良い煮物の一つに「いりどり」がある。 
 四季折々にいりどりは楽しめ、鶏肉のしっかりした旨味が何とも他の材料とマッチし鍋底に油を敷き熱し180℃位の強火で炒めることで色調、香り、甘味を増し、糖質はカラメル化し褐色に色づき一段と風味を増し美味しさが増加されるのである。 
 牛蒡、人参などの硬い材料は小さく切り茹で、人参は花型に切っても良い。高齢者には更に小さく切ったり、牛蒡はたたき牛蒡、また素材選びにも配慮すると良い。 
 いりどりは日常的に副菜として、更には正月料理、弁当にも簡単に作れて美味しい料理の一品である。

鹿肉の一口フライ

 2008年は立春に入っても雪の多い年である。鹿が山から民家近くまで来て栽培野菜の若芽を食べてしまう。駆除の恩恵からか、生の鹿肉のプレゼントが届いた。「鹿肉は一口フライ」が一番と知人が教えてくれた。食べやすいよう鹿肉の大きさを揃えることがポイントとなる。 
 鹿肉は特有の臭味が強いので、一口切りしたら好みで生姜汁、山椒粉、すった胡麻、カレー粉などを付け小麦粉、卵液、パン粉をはたき適温(180℃)で揚げる。 
 鹿肉に下味付けと油の香味が加わって美味しさを倍増する。二度揚げすると歯ごたえもカリッとして、揚げ色も綺麗な色調に仕上がる。

うどの芽としめじの酢味噌和え

 うどの茎は真白で春の代名詞とまで言われ、和え物として食卓に上がっている。少し時が過ぎると硬くなるので穂先だけ採取する。うどの芽は天ぷらでも良いが塩茹でしあくを抜き和え物としてお勧めで、少々のほろ苦さと香りが高い。うどの根には鎮痛などの薬用効果がある。
 うどは日本原産で中国・朝鮮半島からサハリン・沖縄まで自生がみられる。うどの軟化栽培の歴史は、江戸時代から進められ贅沢品と言われ販売が制限されたようである。「風を得て動かず 風なくして自ら動く ゆえに独活」(1851)独活(うど)の漢字が当てられている。
 うどの風味成分はα―ピネン、β―ピネン、サピネン、苦味成分はポリフェノール化合物による。

大根の甘酢漬け

 大根の加工品やその用途ほど多い食品はない。今回は「大根の甘酢漬け」を紹介する。
  洗った大根は、皮を剥き、縦2pに切り3%の食塩を加え重石を載せ約2日漬ける。その後、濃い目の甘酢に3日程漬け完成。
 大根の味や風味は組み合わせる他の素材の旨味を引き立てる特徴をもつので「ほろふき大根」をはじめ主役となったり、白髪大根の様に脇役とまた、乾燥したり、漬物と多くの料理に用いられている。葉や根の部分総てが可食部となり魅力のある食品として食べられている。


筍の木の芽和え

材料

・筍200g ・出し汁1カップ ・山椒の芽適宜 ・白味噌大さじ2 ・砂糖大さじ1 ・味醂大さじ1

作り方
1) 筍は、米のとぎ汁で茹でて短冊に切る。
2) 1)は出し汁でさっと煮、薄味をつける。
3) 山椒は、すり鉢ですり白味噌、砂糖、味醂を合わせ調味する。
4) 3)に冷ました2)を入れ混ぜる。
5) 器に盛る。

生姜と鮪の甘露煮

 根生姜の旬は6月から11月と長く、香りが高く水分たっぷりの新生姜(葉生姜)は7月頃から収穫され甘酢に漬けて焼き魚の添えなどにする。ひね生姜は前年収穫し、貯蔵しておき出回り辛味が強い特徴がある。
 生姜は、熱帯アジア原産の多年草で古くから栽培している香味野菜の一つ。保存があまりきかないので酢漬け、焼酎漬け、味噌漬け、砂糖漬け、ぬか漬けなどに加工する。
 生姜はアジアをはじめ世界各国の料理に幅広く使用されている。
 生姜はゲラ二オール、シネオール等の香りとジンゲンの辛味が特徴ですり卸し薬味として肉や魚の消臭効果、身体を温める発汗作用、風邪の予防、消毒などと効果が多い。 
 今回は生姜をたっぷり用いて、醤油、味醂、砂糖、水あめを使い、照りよく煮上げた「生姜と鮪の甘露煮」を紹介する。



 資料提供:山梨学院短期大学食物栄養科 准教授 依田萬代先生